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「緒方こうじ屋について」

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【緒方こうじ屋の歴史】

緒方こうじ屋は、もとは「車屋」という屋号であった。
これは馬車や大八車の車輪を製造、修理を商いとしていたことに由来する。大八車は、木製2、3人で引く大きな荷車で昭和の初めまで使われていた。初代・緒方満喜の代まで車輪を作っていた。

その後塩の卸業で、今の水俣市、津奈木町、芦北町の販売を一手に担っていた。さらに野菜の苗の販売も行う多角経営であった。麹の製造・販売は行っていなかったが、水俣出身の著名人・徳富蘇峰家との浅からぬ縁があり蘇峰の母が大事に作っていた麹を人づてに緒方家が受け継いだのが麹造りの始まりだった。のれんに揮毫された「天地悠々」の文字は徳富蘇峰によるものである。

そうして始まった麹作りだが、かつては自家製で基礎や醤油を作る家庭がとても多く、仕込みに使う麹を求める人が多かった。五代目・健一郎の祖父・寿の時代は水俣市内に麹屋は5、6軒もあった。

それがだんだんと味噌、醤油を作る家庭が減り、麹の需要が減ると麹屋の間で熾烈な値下げ競争が始まった。
しかし、寿はむやみに価格を下げるようなことはしなかった。
「利益は家族が食べられるだけあればいい。麹はもともと神様に供えるお酒を作るところから始まった。麹を作る仕事は神様のお手伝いなんだよ」と四代目・信秀に語っていた。
信秀は「父は、神様はどこにでもいて、かまどに火をつけるときや(麹を発酵させる)「室」に入るときも手を合わせていました」と語る。

寿の周囲に流されず、丁寧に麹とお客様に向き合う姿勢が四代目・信秀、五代目・健一郎に脈々と息づき、今日の緒方こうじ屋に繋がっている。

緒方糀屋外観
徳富蘇峰揮毫「天地悠々」

【会社概要】

会社名 緒方糀屋
代表者 緒方 信秀
住所 〒867-0064 熊本県水俣市幸町5-12
電話番号 TEL.0966-63-2219
営業時間 8:00~18:00(日曜日は9:00~15:00)
店休日 年中無休
駐車場 3台
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